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小児科でよくみられる病気

脳室内出血
Childhood Illnesses

脳の中には「脳実質(神経細胞などがある部位)」と「脳室(脳脊髄液で満たされている)」などがあります.脳室内出血は,出生時体重が1500 g未満のお子さんの約18-25%で発症し,さらに脳室内出血の50%は生後1日以内に,90%は生後4日以内に起こるといわれています(生後4日以降を過ぎると脳室内出血が起こる確率は低くなります).出血の範囲や脳室拡大の有無によって,GradeⅠからⅣに分類されています.脳室内出血後の合併症として「出血後水頭症」があり,GradeⅢ-Ⅳの脳室内出血では約60-80%で水頭症が起こるといわれています.出血の範囲が小さいものでは予後良好です.水頭症の程度が強い場合には,一次的に脳脊髄液を除去したりします.持続的に除去が必要な場合には,脳室と腹腔をつなぐ管を入れる「脳室-腹腔シャント術」を行うことがあります.重篤な脳室内出血や出血後水頭症をきたした場合には生命の危険も高まり,運動機能障害などの神経学的後遺症を残すリスクも高くなります.