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小児科でよくみられる病気

網膜芽細胞腫
Childhood Illnesses

白色瞳孔で気づかれることが多い小児眼内腫瘍です。片側性、両側性に加えて、稀に三側性があります。三側性は両側眼球に加えて、松果体や鞍上部などの頭蓋内病変を伴う場合をさします。原因はRB1遺伝子の異常で、常染色体顕性(優性)の遺伝形式をとります。

両眼性のほぼ100%と片眼性の10~15%が遺伝性です。発病月齢は両眼性で7.5±10.9カ月、片眼性で20.7±20.0カ月で、遺伝性は発症年齢が若いことが特徴です。診断は眼底検査や画像検査で行います。治療は大きく分けて、眼球温存療法と眼球摘出があります。眼球温存療法では、全身化学療法(VEC療法)、 局所治療(眼動注、レーザー、冷凍凝固、硝子体注入、小線源治療、放射線外照射など)が行われます。近年の治療法の進歩で、眼球温存が可能になってきましたが、良好な視機能を維持する為にも早期診断・治療が重要です。眼球内に病気が留まっている場合の生命予後は良好ですが、腫瘍が中枢神経に転移をきたした場合は治療に抵抗性で予後不良であり、新たな治療が求められています。当科では国立がん研究センター中央病院眼腫瘍科と連携して、眼球温存治療や治療終了後の長期フォローを行なっております。