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小児科でよくみられる病気

慢性甲状腺炎(橋本病)
Childhood Illnesses

慢性甲状腺炎(橋本病)は自己免疫性甲状腺炎ともいわれており、自己免疫反応の異常によりリンパ球が甲状腺組織を破壊することで生じる甲状の慢性炎症です。中年以降に多い疾患ですが、小児における甲状腺腫および後天性甲状腺機能低下症の最も多い原因とされ、思春期年齢から増加します。1型糖尿病、21トリソミー、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、ヌーナン症候群などの疾患に合併するケースや、家族内で発生するケースもあります。小児における男女比は1:5程度と女児に多く、甲状腺機能は正常~低下まで様々です。症状はびまん性甲状腺腫が主であり、小児の80-90%に認められます。そのほか、甲状腺機能低下症状として全身倦怠感、体重増加、冷え性、便秘、月経不順、頭痛、高コレステロール血症を認めることがあります。また、著明な甲状腺機能低下症をきたした場合、身長増加が停止する場合もあります。診断のために血液検査(橋本病では抗甲状腺マイクロゾーム抗体や抗サイログロブリン抗体が陽性)や甲状腺の超音波検査などの検査を行います。甲状腺機能が低下している場合には甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム)の内服治療を行います。