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小児科でよくみられる病気

バセドウ病
Childhood Illnesses

甲状腺を異常に刺激する抗体(甲状腺自己抗体)が体内で作られ、この抗体が、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の代わりに甲状腺を刺激することにより甲状腺が腫大し、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。この抗体は目の周りの組織にも影響をあたえ、眼球突出をきたします。過剰量の甲状腺ホルモンは全身の代謝を促進し、動悸、頻脈、疲れやすさ、発汗過多、手指振戦、体重減少、下痢、月経不順などを起こします。また、落ち着きのなさ、集中力や学力の低下、不眠、情緒不安、夜尿を認めることもあります。

バセドウ病の診断のためには、血液検査で甲状腺ホルモン(FT4, FT3)高値、甲状腺刺激ホルモン(TSH)低値、甲状腺自己抗体(抗TSH受容体抗体など)陽性を確認します。また、超音波検査を行い、甲状腺の大きさやバセドウ病に特徴的とされる血流増加の有無を調べます。診断が難しいケースでは、シンチグラフィ検査を行うこともあります。

治療は、甲状腺ホルモン産生を抑える抗甲状腺薬の内服が行われます。重篤な副作用の出現など、内服治療の継続が困難な場合は、甲状腺を切除する手術療法や、放射性ヨード治療法などを行います。治療開始後、甲状腺機能が改善してくるまでは運動制限が必要ですが、甲状腺機能が正常になれば、日常生活における制限は解除されます。内服継続により甲状腺自己抗体が消失し、抗甲状腺薬の内服が中止できる場合もありますが、多くの場合、長期的な内服治療が必要です。