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よもやま話 Episode 1
Episode

Dr. 熊澤の育児休暇体験記 〜 みんなで Dr. 人生を考えよう 〜

育児休暇を取得した小児科男性医師の経験 

 医師13年目の熊澤です。NICU で日々勤務していますが、研修2年目に結婚し、これまでに3人の子供を授かりました。3人目が出生した後に育児休暇を取ることを医局・病棟の同僚に相談したところ、気持ちよく送り出していただきました。たった1か月ではありましたが、その後の自分の家族へのかかわりを変える非常に大切な機会となりました。

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 私が初めて子供を授かったときはまだ後期レジデントで働き始めたばかりでした。妻は『小児科医になってから5-6年くらいはすごく忙しそうだったよ』と言っていますし、今思うと自分としても長女と長男の育児は妻に任せっきりであったと思います。自分ではなるべく育児を行っていたつもりでしたが、日々の診療と当直、勉強とで忙しかったのもありますし、育児や家事に対する姿勢・考えが甘かったのだと思います。

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 1か月という短い期間ではありましたが、次女(3人目)だけでなく長女・長男とも正面から向き合えました。子供たちに『いってらっしゃい』、『おかえりなさい』と言い、学校や幼稚園の話を聞き、赤ちゃんをひたすら抱っこしてました。育児休暇なので育児を行うのは当たり前かもしれませんが、それよりも妻が日々どれだけ多くの家事を行っているのか、見えない仕事が山のようにあることが体感でき、妻と共有できるようになったことが今思えば非常に大切だと感じています。1か月と言わずもっと長く育児休暇を取ればよかったです。

 児休暇を取ることを医局・同僚に相談したときに驚くくらい皆の反応が良かったのは、自分としても驚きでした。皆の仕事が少しずつ増えるにも関わらず嫌な顔せずに送り出してもらい、復帰後は何事もなかったようにすんなりと仕事に戻れました。多少陰口を言われたり、仕事を任せられなかったり、組織で仕事している人ならだれでも不安に思うのではないでしょうか。休暇前に教授に呼ばれ、『いいじゃん。1か月でいいの?』と言われ、『慈恵ファミリー』の懐の深さを改めて感じることになりました。

 小児科医として育児休暇の経験がどのように診療に影響しているかはわかりませんが、一人の人間として大きく変われたと思っています。

日本で男性医師が育児休暇を取得するのはまだまだ難しいのが現状だと思います。特に若い先生ならなおさらです。ですが、今回一歩踏み出してみて、少なくとも慈恵医大小児科では、希望したときに育児休暇を普通にとれる環境、雰囲気になっていましたので、多くの方が取得し、自分の人生や育児を良い方向に変えてもらえればと思います。