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小児科でよくみられる病気

新生児呼吸窮迫症候群
Childhood Illnesses

肺は「肺胞」という小さな袋状の組織がたくさん集まってできており,肺胞が膨らんだりしぼんだりすることで,体内のガス交換を行っています.私たちの肺では,肺胞が虚脱しないようにサーファクタントという物質がつくられていますが,これが産生されるのは在胎28週頃からとされています.サーファクタントの産生が不十分な状態で生まれたお子さんでは,肺胞が虚脱してしまい上手く膨らむことができずに呼吸障害をきたすことがあり,これを「新生児呼吸窮迫症候群」といいます.在胎28週未満のお子さんではほとんどが新生児呼吸窮迫症候群を発症します.治療は,気管の中にチューブを挿入し,そこから人工サーファクタントを投与することです.1回だけの投与で肺の虚脱は改善することが多いですが,2回以上の投与が必要となることもあります.また,新生児呼吸窮迫症候群をきたすような週数のお子さんでは,肺の状態が良くなっても自分の呼吸が弱いことも多く,しばらく呼吸をサポートするための機械が必要となることが多いです.呼吸をサポートするための機械を中止できる時期は,お子さんの生まれた週数や呼吸をする力によって異なります.