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小児科でよくみられる病気

壊死性腸炎
Childhood Illnesses

腸の一部が壊死してしまう疾患で,超低出生体重児では2-3%で発症するといわれています.発症のメカニズムにはさまざまな要因があり,腸管機能の未熟性,血流障害,腸内細菌のバランス,人工栄養などが関係するといわれていますが,完全には解明されていません.嘔吐やお腹の張りが強くなるといった症状がある場合に疑い,レントゲンの所見などと合わせて総合的に判断します.絶食や減圧(胃の中の空気を抜くこと),抗菌薬の投与のみで改善することもありますが,腸管に穴が開いた場合(消化管穿孔)や腸管の通過障害がある場合には手術が必要となることもあります.消化管穿孔をきたし,ショックや敗血症などを合併した場合には生命にかかわる危険性が高くなります.壊死性腸炎の予防として,母乳栄養やビフィズス菌の投与が有効といわれています.