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小児科でよくみられる病気

フォンヴィレブランド病
Childhood Illnesses

血友病の次に多い先天性凝固異常症です。Von Willebrand因子(VWF)をコードする遺伝子の異常によりVWFの量的あるいは質的欠乏症が原因です。VWFは一次止血に関わっており、血小板膜タンパク(GPIb、GPIIb/IIIa)やコラーゲンに結合して血管傷害部位に血小板を粘着、凝集させる働きをしています。症状は皮下出血、鼻腔や口腔内出血などの粘膜出血が多いです。女性では過多月経や排卵時の黄体出血に起因する腹腔内出血が起こることがあります。また、VWDの出血症状は加齢とともに軽くなるのが特徴です。

診断およびタイプ分類に必要な検査は、VWF抗原量(VWF:Ag)、VWF活性を示すリストセチンコファクター活性(VWF:RCo)、第VIII因子活性(FVIII:C)およびVWFマルチマー解析です。タイプ分類には、VWFの量的異常のタイプ1、VWFの質的異常のタイプ2(さらに、2A, 2B, 2N, 2Mに分類)、VWFが完全欠損するタイプ3があります。治療は、FVIII/VWF混合濃縮製剤(コンファクトF)の補充ですが、最近、リコンビナントVWF製剤(ボンベンディ)が登場しました。