葛飾医療センター
Katsushika
ご挨拶
About
葛飾医療センターは、前身となる「東京慈恵会医科大学附属中川堤療養所」として1943年(昭和18年)10月に開院し、その後「東京慈恵会医科大学附属青戸病院」の名称を経て、平成24年1月に「東京慈恵会医科大学葛飾医療センター」としてリニューアルオープンし現在に至っています。地上9階建て、鉄骨造りで免震構造が施され、大地震の発生時の災害拠点病院として診療機能が継続できるよう設計されています。また、当院は葛飾区を中心とした区東北部医療圏の中核を担い、患者さんの多くが葛飾区および近隣から来院される典型的な地域密着型の病院です。
近年小児の診療は感染症などの急性疾患に加え、慢性疾患や専門性の高い分野への対応も求められてきています。小児を取り巻く社会、学校、家庭環境は変化し、子どもの心の病気、また、核家族化による虐待問題なども増加してきています。これからの小児医療、小児科医に求められるのは、疾患の治療だけでなく、こどもの健全な発育をサポートする総合診療であると考えています。当科ではこのことを念頭に
① 二次を主体とする夜間・休日を含めた24時間救急対応
② 小児のプライマリーケアと予防接種や健診などを含めた健康小児の発育・発達をサポートする総合医療の充実
を目標としております。また私自身は、小児科では比較的少ない小児栄養消化器分野を専門にしており、一般的な便秘の治療や栄養相談をはじめ、最近小児でも増えてきた炎症性腸疾患や低身長、甲状腺疾患、糖尿病などの内分泌疾患のお子さんの診療に従事してまいりました。さらに自身の育児そして母親同士のコミュニティの経験を生かし、女性医師が活躍できる環境づくりとともにご家族の気持ちに寄り添った医療を心がけております。
当科では、
1)患児・家族との信頼関係の構築
2)チーム医療の推進
3)安全管理の徹底
4)質の高い医療の提供
を4つの柱とし地域のニーズに応えられる医療を目指してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
診療部長 髙畠典子
診療内容・特色
Features
地域の中核病院の小児科として小児のプライマリーケアから専門医療まで幅広い患者ニーズに応えられるように診療を行っております。また二次を主体とした小児救急医療に、夜間・休日を含めた24時間体制で対応いたします。
特に小児によくみられる症状(発熱、鼻水、咳、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛など)についてはもちろん、どのような症状に対しても、ご家族・お子さまとの対話を重視し、十分な説明と丁寧な診療をこころがけています。
また、乳児検診やワクチン接種、葛飾区生活習慣病検診、腎臓検診精密検査などの診療も行っております。さらに近年増加しているアレルギー疾患に対する舌下免疫療法(スギ、ダニ)、食物アレルギー負荷テスト、低身長に対する成長ホルモン負荷テストにも積極的に対応していますので、ご相談ください。
1) 外来診療
外来は午前の一般外来と午後の専門外来(完全予約制)で構成され、日本小児科学会専門医を中心に外来診療を行っています。午前の一般外来は一部予約制をとっていますが、急患・初診の患者様も随時診察いたします。初診の患者様は、かかりつけの病院や医院の先生に紹介状を書いていただくか、FAX予約を入れてもらうと待ち時間が短縮されます。専門外来に患者様をご紹介いただく場合には、午前の一般外来にまずはご紹介ください。
専門外来
当科では以下の専門外来を設けています。
- 消化器疾患(高畠典子)
- アレルギー疾患(堀向健太、木下美沙子)
- 循環器疾患(齋藤亮太)
- 神経疾患(久保田淳、岡部史郎)
- 代謝・内分泌疾患(髙畠典子、齋藤真希、清原美佳)
- 血液疾患(小林尚明)
- 腎疾患(武政洋一)
- 心理相談(村上弘子相談員、原口幸相談員、鎮目美里相談員)
2) 入院診療
小児病棟は、新生児室3床、乳児室8床、幼児室4床、学童男児4床、学童女児4床、個室7床(感染隔離個室3床を含む)の計30床(小児内科系26床、小児外科系4床)からなります。 当科では預かり入院だけでなく、付添い入院も可能です。(新型コロナ感染症の影響で現在、付き添い入院は原則不可となっております。)また院内学級として葛飾区立青戸小学校分級(通称:ひまわり学級)が開級しており、入院患者さんの教育支援も行っています。 入院中は、お子さまやご家族の不安を少しでも軽減できるように、十分な説明と対話を重視し、適切な治療を行います。
3)病診連携
青戸小児科医会
年6回(2、3、5、6、9、11月の第2月曜日)、午後7時30分より、病・診、病・病連携を深めるために、葛飾区医師会並びに近隣開業医の先生方、OBの先生方とともに症例検討会を開催しています。葛飾区の感染症サーベイランス報告や紹介患者報告なども同時に行っています。
診療実績
Clinical Performance Data
1日平均外来患者数 | |
---|---|
2021年度 | 77 |
2020年度 | 64 |
2019年度 | 79 |
年間入院患者数 | |
2021年度 | 847 |
2020年度 | 500 |
2019年度 | 697 |
救急室受診患者数 | |
2021年度 | 1556 |
2020年度 | 891 |
2019年度 | 1624 |
救急車搬送数 | |
2021年度 | 574 |
2020年度 | 298 |
2019年度 | 353 |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|
1日平均外来患者数 | 79 | 64 | 77 |
年間入院患者数 | 697 | 500 | 847 |
救急室受診患者数 | 1624 | 891 | 1556 |
救急室受診患者数 | 353 | 298 | 574 |
2021年疾病別入院患者数(主なもの)
病 名 | 症例数 |
---|---|
肺炎・気管支炎 | 143例 |
気管支喘息 | 53例 |
川崎病 | 44例 |
新生児疾患 | 61例 |
けいれん性疾患 | 29例 |
急性胃腸炎 | 34例 |
尿路感染症 | 12例 |
腎 炎 | 2例 |
ネフローゼ症候群 | 3例 |
食物アレルギー(経口負荷試験) | 100例 |
低身長 | 17例 |
特発性血小板減少性紫斑病 | 3例 |
IgA血管炎 | 8例 |
化膿性骨髄炎 | 1例 |
甲状腺機能亢進症 | 2例 |
思春期早発症 | 2例 |
糖尿病 | 2例 |
腸重積 | 9例 |
白血病 | 2例(本院に転院) |
その他、急性脳症(2)、GBS敗血症・骨髄炎(1) |
診療スタッフ
診療部長 | 髙畠 典子 |
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医師数 | 常勤:11名 (小児科専門医:7名、小児科レジデント:4名) |
非常勤:4名 | |
非常勤臨床心理士:3名 |