新生児集中治療室(NICU)の紹介
About NICU
About NICU
NICUとは?
NICU(Neonatal Intensive Care Unit)とは新生児集中治療室のことで、生まれてきた赤ちゃんの呼吸や循環状態がうまく行かないときに全身管理を行う場所です。予定日より早く生まれた赤ちゃん、体重が小さい赤ちゃん、病気を持って生まれてきた赤ちゃんが入院します。専属の小児科医及び看護師が24時間体制で高度な医療を提供しています。
GCU(Growing Care Unit)は状態が落ち着いてきた赤ちゃんたちが退院まで治療を続ける場所です。赤ちゃんの状態によっては、最初からGCUに入院することもあります。
NICUに入院するお子さんはさまざまな理由がありますが,以下のようなお子さんが多いです.
- 早産または低出生体重児のお子さん
- 呼吸管理や点滴が必要なお子さん
- 新生児期に外科手術が必要なお子さん
<早産,低出生体重児とは>
- 正期産:在胎週数が37週以上のお子さん
- 早 産:在胎週数が37週未満のお子さん
- 低出生体重児:出生時体重によって以下のように分類されています.
- 2500g未満:低出生体重児
- 1500g未満:極低出生体重児
- 1000g未満:超低出生体重児
在胎週数や出生時体重が小さいお子さんほど合併症のリスクが高くなります.当院では,在胎週数が35週4日未満または出生時体重2200g未満のお子さんは原則NICUへ入院としています.
東京慈恵会医科大学附属病院母子医療センターNICUの特色
日本の新生児医療の水準は世界の中でも高く、近年の我が国の新生児死亡率は、1000人あたり0.9人と世界でトップクラスの成績です。東京慈恵会医科大学のNICUでは、東京都周産期医療ネットワークの一員として、地域周産期施設として認定を受け、東京都内および都外近隣地域で生まれた新生児の受け入れを24時間体制で行い新生児医療を支えています。内科疾患のみならず、外科疾患も小児外科、小児心臓外科、小児脳神経外科、形成外科と連携をして、手術などの外科的治療が必要な新生児も積極的に受け入れています。
- NICU:12床
- GCU :24床
母子医療センター(https://www.hosp.jikei.ac.jp/boshiiryou/)
NICUでよく使う医療機器について
<保育器>
小さく生まれた赤ちゃんが居心地の良い環境で過ごせるようにするために使用します。適切な温度や湿度を保つことは、NICUに入院する赤ちゃんたちにとってとても重要です。早産で生まれた赤ちゃんは皮膚がとても薄く、皮膚から水分が出ていってしまったり、容易に体温が下がってしまいます。保育器がお母さんのお腹の代わりとなって、外からのストレスから赤ちゃんを守ってあげるのです。
<人工呼吸器>
自分でしっかりと呼吸ができない赤ちゃんのために、呼吸をサポートするために使います。気管にチューブを挿入したり、鼻のマスクをつけて使用します。
<光線治療器>
黄疸の治療のために使用します。赤ちゃんに青い光線をあてて治療を行います。
<心電図モニター・パルスオキシメーター>
赤ちゃんの心拍数、呼吸回数、血圧や血液中の酸素飽和度をモニター画面に常時表示して、赤ちゃんの全身状態をリアルタイムで確認します。
<輸液ポンプ>
赤ちゃんが必要な水分、栄養や薬剤を、適切な速度で投与するために使います。
NICUに入院した赤ちゃんの退院までの流れ、そして退院後について
生まれて集中治療を必要としていた赤ちゃんが呼吸や循環状態が落ち着き、哺乳状況や体重増加が安定したら退院に向けて準備を進めていきます。NICU専属医師、看護師に加え、ソーシャルワーカーを交えた社会的支援など、赤ちゃんとご家族が安心してご自宅に帰れるようサポートします。
退院後はフォローアップ外来でNICU専属医師が退院した赤ちゃんの成長・発達の支援を行っています。また外科的疾患の退院後のサポートも行います。当院の母子医療センターには、小児科、小児外科、小児心臓外科、小児脳神経外科、形成外科と全ての外来が集約しているため、赤ちゃんとお母さんが色々な場所に移動することなく、スムーズな受診が可能です。
<修正月齢について>
同じ生後1か月のお子さんでも,在胎37週以降に生まれたお子さんと37週未満で生まれたお子さんでは,体格も発達も異なります.
早産児のお子さんでは,発達などの評価を行う際には修正月齢(予定日を基準にした月齢)で考えていきます.例えば,在胎32週0日で生まれたお子さん(予定日より2か月早く生まれたお子さん)では,生後3か月の時点では首がすわっていないかもしれませんが,修正月齢では1か月となるため,まだ首がすわっていなくても今後問題はありません.